マイクロ化学

熱レンズ検出の基礎原理

マイクロ化学チップ内の目的分子を測定する場合、試薬が少量で済むと言う反面、微小量検出法が必要になるという問題点があります。IMTでは東大北森研究室とKAST北森プロジェクトが共同で開発した熱レンズ顕微鏡をマイクロ化学分野の検出法として皆さまにご提供しております。熱レンズ顕微鏡の原理図を下図に示します。

対物レンズを通して励起光・プローブ光の2本のレーザー光を吸収する物質がある場合には、試料液量が光を吸収し輻射緩和する分を除いたエネルギーはすべて 熱エネルギーとして溶媒中に放出され温度上昇が起こります。
温度上昇の空間分布について考えると、レーザー光の強度分布と熱拡散によって、レーザーの光軸周りには高い温度分布勾配が形成されます。水などの液体の場 合、屈折率は温度上昇により下がるため、レーザー光軸の中心ほど屈折率が低く、周辺部ほど屈折率の高い状態が形成されます。
この屈折率分布は光学的には凹レンズと等価であり、熱レンズと呼ばれます。熱レンズの度は発生した熱量、すなわち試料の量・濃度に比例するため、熱レンズ の度の測定から試料の定量が可能となります。実際の測定では、励起光を変調し、プローブ光の光量変化を同期検出します。

熱レンズ検出の原理

特長

・吸光に基づく汎用性
・レーザーの絞込みによる高空間分解能
・単一分子程度が定量可能な高感度
より汎用的な吸光に基づいた超高感度検出器としてお役立て下さい。

熱レンズ顕微鏡による測定例

検出限界 溶質 媒体
0.4分子 ポルフィリン ベンゼン
50分子 色素分子
7分子 DNA ポリアクリルアミドゲル