マイクロ化学

マイクロ化学とは

マイクロ化学とは? なぜマイクロ化学なのか?

マイクロ化学チップとは数センチ角のガラス基板上に数十~数百ミクロンの流路(チャネル)を作成したもので、そのチャネル内の微小区間で混合、反応、分離、検出、合成などの化学操作を行うことができます。今まで実験室や工場で行っていた操作をマイクロ化することで、エネルギーや空間をはるかに効率よく利用することができ、これからの科学技術に大きく貢献するものと期待されています。

マイクロ化学の利点

  1. 01. 化学反応が飛躍的に早くなる

    数ミクロンから数百ミクロンの流路のようなマイクロ空間に物質を閉じ込めて化学反応を行なうとマクロなスケールの場合に比べて反応が飛躍的に早くなります。マイクロ空間では、反応する物質どうしが近接することや、反応する物質おのおのの体積に比べて、お互いが接する界面の面積が大きくなることが、反応が早くなる主な理由です。
    例えば、臨床検査で用いられる抗原抗体反応を行なった場合、マイクロ空間で行なった方が従来のマイクロタイタープレートで行なう場合に比べて100倍以上早くなった例が報告されています。

  2. 02. 化学操作の集積化が可能

    硝子、シリコン、樹脂などの基板に、混合、反応、分離、検出、合成などのそれぞれの化学操作に応じた微細流路パターンを作製することによって、それらの操作を流れの中で迅速活連続的に行なうことが可能となります。このように多数の化学操作を1枚の小さな基板上に集積化をすると、複雑な化学操作を伴うシステムも簡単に扱えるようになります。

  3. 03. 小型、極微量

    数ミクロンから数百ミクロンの流路の場合には、そこを流れる流体の量はpL(ピコリットル)〜μL(マイクロリットル)のオーダーと極微量です。そのような微細流路が設けられた基板をマイクロ化学チップと呼び、その大きさも数センチ角などというように小さくすることができます。この小型、極微量という特徴により、従来、実験室や検査室で行なわれていた化学操作や分析のシステムを簡単に持ち運びができるようなサイズまで小さくできると期待されています。また、分析や検査システムでは必要な試薬や試料も極微量で済むので、貴重な試料の節約や、有害な廃液の削減にもつながります。

  4. 04. 高効率の合成

    有機合成をマイクロ化学チップで行なおうという試みもされています。この場合、マイクロ空間効果による化学反応の迅速化という利点だけでなく、発熱や吸熱などの様々な反応条件に対してシステムを制御しやすい、あるいは、流れの中での反応であるので、一旦反応した生成物が再び原料物質と出会って複生成物を形成するような反応が起こり難いというような利点もあります。1枚のチップで扱える量は極微量なので、まとまった量の合成には数多くのチップが必要という点は一見欠点と見られがちですが、1枚のチップで反応条件を確立しておけば、あとは枚数を増やすだけで自在にスケールアップができる点は、マクロなスケールの合成システムでは考えられない利点であると言えます。

マイクロ化学の将来構想

  1. マイクロ化学チップとは数センチ角のガラス基板上に数十~数百ミクロンの流路(チャネル)を作成したもので、そのチャネル内の微小区間で混合、反応、分離、検出、合成などの化学操作を行うことができます。今まで実験室や工場で行っていた操作をマイクロ化することで、エネルギーや空間をはるかに効率よく利用することができ、これからの科学技術に大きく貢献するものと期待されています。その応用範囲は、化学、バイオ、医療、環境、農林水産、食品、など極めて広範囲であり、例えば個人の状況に合わせたテーラーメイドの医療分析機器や健康モニターの開発さえ不可能ではないと考えています。

  2. 例1・・・その場で結果が確認できるリアルタイム診断装置

  3. 例2・・・唾液で診断する携帯型ストレスチェッカー

  4. 例3・・・集積化学プラント